gtag.js
アニメ

大人こそ観てほしい“中学生純愛アニメ”の傑作『月がきれい』

月がきれい
tarumaki

作品情報

『月がきれい』は、2017年に放送されたオリジナルアニメです。思春期の中学生たちが経験する、初めての恋を、リアルで繊細な描写で丁寧に描いた青春ラブストーリーです。

物語の主人公は、文芸部に所属する引っ込み思案な少年、安曇小太郎と、陸上部に所属する活発な少女、水野茜。中学3年生になって初めて同じクラスになった二人は、体育祭の準備や部活動、そしてLINEを通じて、少しずつ距離を縮めていきます。

お互いに意識し始め、メールのやり取りに一喜一憂したり、デートの約束にドキドキしたり、周りの友達にバレないようにと気を遣ったりと、中学生ならではの不器用でピュアな恋の様子が、まるで自分のことのように感じられるほどリアルに描かれています。

派手な演出ではなく、日常の中に宿る「好き」という気持ちを、とことん丁寧に、そして温かく描いているところが魅力の作品です!

あらすじ

小説家志望の文芸部員、小太郎。茜は陸上部で短距離走専門。
中学3年になり、初めて知り合った2人。
家族と食事に出かけたファミレスで出くわしたり、運動会の用具係で一緒に作業したりが続き、互いを意識し始める。

15歳の恋に、こんなに泣かされるなんて

「15歳の恋」と聞くと、なんだか甘酸っぱくてどこか未熟で、ちょっと懐かしい響きがありませんか。
でも『月がきれい』を観終わったあと、きっとあなたはこう思うはずです。
――「ここまで純粋で、真っ直ぐで、泣ける恋物語があったんだ」と。

この作品は、中学三年生という多感な年頃を生きる少年少女の、静かで、でも確かに激しい恋愛を丁寧に描いた青春アニメです。
大人になった今だからこそ、胸を打たれる。
そんなリアルで等身大の恋模様が、見る人の心にじんわりとしみわたります。

今回は、名作と名高い『月がきれい』の魅力を、

  1. “リアル”で“繊細”な恋の描写
  2. キャラクターが放つ等身大の輝き
  3. 背景美術と音楽が紡ぐ、青春の色彩
    の三つの切り口で、熱く語っていきたいと思います!

こんなにリアルで繊細!15歳の恋を描く奇跡の物語

まず語らずにはいられないのが、この作品の最大の魅力ともいえる「リアルさ」です。
主人公の安曇小太郎は文芸部に所属する、ちょっと内気で、でも芯のある少年。
ヒロインの水野茜は陸上部に打ち込む素直で明るい女の子です。

この二人が、たまたま同じクラスになり、少しずつ距離を縮めていく。
最初は視線を交わすだけ。
やがてLINEを交換し、学校で何気なく話し、そしてついに告白。
そこから交際へ――。

特別なイベントや劇的な運命の出会いがあるわけではありません。
ただ、偶然の積み重ねと、ほんの少しの勇気で進んでいく恋。
この“普通さ”が、どこまでもリアルで胸に刺さるのです。

さらに小太郎が図書館で見つけた一節
「少くとも恋愛はチャンスではないと思う。私はそれを、意思だと思う。」
に勇気をもらい、自分の気持ちをしっかりと言葉にして伝えるシーンは、何度観ても泣けます。

そしてこの恋には、別れやすれ違い、家族の転勤による遠距離など数々の困難が立ちはだかります。
それでも二人は諦めず、お互いの想いを確認し合って乗り越えていく。
特に、遠距離で価値観が変わってしまう難しさを描きながら、ラストには結婚・出産まで見せるという展開は、「こんなカップル現実にいるの!?」とツッコミたくなるほど奇跡的でありながら、同時に「こうだったらいいな」という理想の結末として涙が止まらなくなります。

この“等身大”の恋が“奇跡”に変わる瞬間を、ぜひ多くの人に見てほしいです。

まるで隣にいるような、等身大キャラクターの魅力

『月がきれい』のすごさは、何よりもキャラクターの「リアルさ」にあります。
登場人物はほとんど小太郎と茜の二人にフォーカスされますが、その二人が、あまりに「普通」で「自然体」なのです。

小太郎は、文芸少年で小説を書きながらも成績はパッとせず、勉強も部活も目立たない。
部屋には格闘家のポスターが貼ってあったり、お囃子に参加したりと、一見脈絡のない趣味を持つ普通の男の子。
一方の茜は、陸上部で活躍するクラスカースト上位の女子に近い存在ながら、実は大人しくて繊細で、人見知りで。
でも家族や仲の良い友人の前では大きな声で笑ったり、変わったスタンプを使ったりする一面もある。

このギャップや「いそうでいないけど、いそう」と思わせるキャラクター造形がとても絶妙です。
だからこそ、二人がたまたま接点を持ち、何気ない会話から恋に落ちる展開にものすごく説得力があります。

しかも、この恋は「運命」や「イベント」の連続で転がり落ちるものではなく、小太郎の「告白」という能動的な行動から始まります。
「好きだから告白する」という当たり前だけど勇気がいる行動が描かれていること。
そして、そのあとのデートや陸上の応援など、小さな一歩一歩も、小太郎の意志によるものであること。ここがとても大事であり、共感を呼ぶポイントなのです。

やっぱり「青春の恋」って、自分から動かないと始まらないんだよなあ…と観ていてしみじみ感じました。

背景美術と音楽が紡ぐ、揺れる青春の空気

『月がきれい』は演出や作画も本当に素晴らしいです。
まず、背景の美しさに毎回息をのみます。
夕暮れの光、桜舞う坂道、文化祭の熱気、夏祭りの淡い提灯の色彩…。
どれを取っても「懐かしい!」と感じる日本の風景がリアルに描き込まれていて、
作品の持つ切なさを何倍にも増幅させます。

さらに音楽の力も見逃せません。
オープニングやエンディングの曲がまた秀逸で、特に東山奈央さんの透明感のある歌声が
二人の物語をそっと包み込んでくれるんです。
そして劇中に流れるピアノやストリングス中心のBGMも、静かに寄り添うようでいて、時折胸を締め付けるような切なさを演出します。

もう一つ印象的なのが、セリフの間や沈黙の「余白」を大事にしている演出です。
無駄なおしゃべりや説明的な台詞がほとんどなく、二人の空気感、視線の交わし方、手の動きといった些細な表情で感情を表現しています。

こういう“静かだけど雄弁な演出”に触れると、大人になって日々に追われている私たちに、「恋のはじまりはもっと小さくていいんだよ」と優しく思い出させてくれる気がします。

まとめ 〜心が泣いて、笑って、温かくなるアニメ〜

『月がきれい』は、一言でいうと「純文学のようなアニメ」です。
派手さはなく、テンプレ的な萌え要素もありません。
でも、だからこそ15歳の不安やときめき、成長する痛み、そして大切な人を想う気持ちが
丁寧に、繊細に、リアルに描かれています。

大人になって「恋愛は面倒」とか「若い頃は無駄に悩んでいたな」なんて思う人こそ、
この作品を観ると初心に帰れて、「恋をするって本当はこんなに素敵なんだ」と思い出せるはずです。

中学生の頃のときめきや、小さな勇気。
あの頃の自分に会いたくなったときは、ぜひ『月がきれい』を手に取ってみてください。
心が泣いて、笑って、そして優しい気持ちで満たされる――
そんな名作です。


スタッフ・キャスト

キャスト

スタッフ

ABOUT ME
tarumaki
tarumaki
ゲーム制作会社で働いてます。
最新作から過去作まで好きな作品を紹介して、少しでも業界の応援になればと思いつつに書いていこうと思います。 基本的に批判的な意見は書かないようにしています。
記事URLをコピーしました