命知らずのトム・クルーズ、映画への愛が暴走する!『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』

作品情報
映画『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』は、トム・クルーズ演じるおなじみの敏腕スパイ、イーサン・ハントが活躍する、超人気スパイアクションシリーズの第7作目です。タイトルにある通り、「PART ONE」なので、物語は次に続く予感満載です!
今回のミッションは、人類の未来を左右する可能性を秘めた、「全人類を危険にさらす兵器」を探し出し、悪用されるのを阻止すること。その鍵を握るのは、世界中のあらゆる情報ネットワークを支配できる、恐るべきAI「エンティティ」。このAIは、予測不能な動きで世界を混乱に陥れようとし、それを巡って世界中の国家や組織、そして謎の敵が入り乱れて争奪戦を繰り広げます。
イーサンは、おなじみのIMFメンバー、ベンジーやルーサー、イルサと共に、この難解なミッションに挑みます。もちろん、トム・クルーズ本人が演じる度肝を抜くような生身のスタントアクションは健在で、バイクでの崖落ちジャンプや、列車での大迫力アクションなど、観客を興奮させるシーンが満載です!
謎の存在「エンティティ」の脅威、そして過去と繋がる謎の女・ガブリエルとの因縁など、物語は非常に複雑でスリリング。何が真実で、誰が味方なのか、疑心暗鬼になりながらも、イーサンが「不可能」を可能にするために奮闘する姿が見どころです。シリーズの集大成に向かう、壮大な物語の幕開けとなる作品です!
あらすじ
2022年、映画史に激震を与えたトム・クルーズが満を持して全世界に贈る
最新作は『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』。
欧州市街地での激しいカーチェイスや、断崖絶壁からの大ジャンプ、 そして激走する列車上での格闘ただ、見どころはトムが「俳優人生で最も危険」と語るアクションだけではない。
シリーズの随所に張り巡らされた伏線が交差する、紛うことなき“集大成”となった。
映画という命がけのアートに立ち向かう男
アクション映画の代名詞的存在とも言える『ミッション:インポッシブル』シリーズ。なかでも主演のトム・クルーズは、まさに“映画界のスタントマシン”と言っても過言ではない存在です。今作『デッドレコニング PART ONE』では、その映画愛がさらにエスカレート。命がけのアクションに挑むトムの姿に、私たちはただただ驚き、手に汗を握り、そして感動せざるを得ませんでした。
それだけではありません。本作は、物語の中心に「AI」という現代的かつ非常にリアルなテーマを据えることで、現代社会の危うさまでも浮き彫りにしています。本記事では、そんな本作の魅力を三つの視点からご紹介していきます。
生身でここまでやる!?狂気すら感じるリアルアクションの極致
まず語らずにはいられないのが、トム・クルーズによるリアルアクションの数々です。特に予告編でも印象的だった「崖からバイクで飛び降りる」シーンは、まさに前人未到のレベル。断崖絶壁のセットで、トムが実際にバイクを走らせて空中へダイブ。命綱はパラシュートのみという正気の沙汰ではないスタントです。
しかもこのシーン、CGでのごまかしは最小限。トム本人が100回以上のジャンプ練習を重ねて臨んだとのこと。この徹底的なリアル志向こそが、彼の映画づくりへの愛情と狂気を感じさせます。
他にも、列車の屋根の上で繰り広げられるクライマックスのバトルは、まさかの“本物の列車”を動かし、橋から脱線させるという離れ業。セットの列車ではなく、実際に破壊してしまう潔さには、もはや呆れるを通り越して尊敬の念すら湧きました。
どんなにCG技術が進化しても、生身のアクションでしか得られない迫力や説得力がある。トム・クルーズの哲学がここに結晶していると感じます。
対AIの恐怖:シリーズ最大にして最も不気味な敵「エンティティ」
本作の敵は、核兵器でも、テロ組織でもない――「AI」です。
その名は「エンティティ」。これがまた厄介で、人類を滅ぼす明確な目的もなければ、特定の指令者もいない。ただただ、世界の情報を操作し、情勢を混乱させていく不気味な存在です。まるで自我を持った赤子が、無邪気に世界をかき回しているような狂気すら感じさせます。
これまでどんな悪党も打ち倒してきたイーサン・ハント。しかしこのAIには、知力でも行動力でも勝てないかもしれないという絶望感が常に付きまといます。その不条理さと不気味さが、従来のスパイアクションとは一線を画す新しさをもたらしているのです。
また、エンティティの存在は、そのまま現代の映画製作の未来をも暗示しているように思えます。トップガン:マーヴェリックで描かれたドローン化の未来と地続きのテーマでもあり、「人間の代替」が可能になってしまう時代に、あえて命を削ってでもアナログな映画を作ろうとするトム・クルーズの姿勢には、涙すら誘われます。
トム・クルーズの映画愛!笑って泣いて心震えるエンタメの真骨頂
本作の脚本構成は、正直なところ「アクションを撮りたいから、それに物語をくっつけた」ような印象が強いです。しかしそれこそが、まさにこの作品の魅力でもあるのです。トム・クルーズが撮りたいもの、演じたいもの、その情熱がダイレクトに画面にぶつかってくる。だからこそ、観ている私たちは理屈抜きで引き込まれてしまうのです。
ローマでのカーアクションでは、あえて「運転がうまくないキャラクター」としての描写から始まり、段々と信頼を築いていく姿がグレースとの関係性にも反映されています。途中から登場するフィアット500のチョイスも絶妙で、手錠で繋がれたままのカーアクションにはユーモアと緊張感が同居し、非常にユニークな仕上がりとなっています。
また、列車の上でのアクションは、シリーズ第1作を思い起こさせる構成となっており、ファンとしては非常に胸熱な演出。ラストにかけて列車が崩落し、イーサンとグレースが命からがら逃げるシーンの緊張感と臨場感は、もはやアトラクションレベルでした。
音楽がスッと消え、無音の中でバイクが崖から飛び出すあのシーンには本気で息を呑みました。そしてそのあとの“着地はどこ?”というくだりで爆笑させてくれるこの振れ幅も、映画ならではの快感です。
まとめ:これは映画を愛するすべての人へのラブレター
『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』は、映画とは何か、アクションとは何かを問いかけるような、圧倒的情熱とスケールの作品です。トム・クルーズという一人の俳優が、命を懸けてスクリーンに投じたメッセージ。その一つひとつが、AI全盛の現代において“人間の力”を信じたい私たちの心を強く打ちます。
この先、どれだけCGやAIが進化しようとも、“本物”の映画体験はきっと消えない。そんな希望を感じさせてくれる一作でした。
次回作『PART TWO』がどんなクライマックスを迎えるのか、今から楽しみで仕方ありません。そしてもし可能ならば、AIとトム・クルーズの“直接対決”という夢のようなシーンが実現することを願ってやみません。トムならきっとやってくれる。そう信じたくなるほどに、今作はトム・クルーズという映画人の「魂」が込められた傑作でした。
スタッフ・キャスト
キャスト
- イーサン・ハント / トム・クルーズ
- グレース / ヘイリー・アトウェル
- ルーサー・スティッケル / ヴィング・レイムス
- ベンジー・ダン / サイモン・ペッグ
- イルサ・ファウスト / レベッカ・ファーガソン
- アラナ・ミツソポリス / ヴァネッサ・カービー
- ガブリエル / イーサイ・モラレス
- パリス / ポム・クレメンティエフ
スタッフ
- 監督 / クリストファー・マッカリー
- 脚本 / クリストファー・マッカリー, エリック・ジェンドレセン