映画『バビロン』レビュー
作品情報
「ラ・ラ・ランド」の監督が、ブラッド・ピット、マーゴット・ロビーなど豪華なキャストを迎え、1920年代のハリウッドを舞台に映画業界で夢を叶えようとする若き男女2人の運命を描いた映画です。
1920年代、無声映画からトーキー(発生映画)へ切り替わろうとする時代の変わり目、若き男女「ディエゴ・カルバ」「マーゴット・ロビー」が映画業界の大物「ブラッド・ピット」と知り合った事で運命が大きく動き出す。
スターへの階段を駆け上がっていく中で垣間見える業界の光と闇を、華麗な音楽とともに華やかに彩り観るものを魅了する映画です!
キャスト
- ジャック・コンラッド / ブラッド・ピット
『セブン』『ファイト・クラブ』『オーシャンズ11』『ベンジャミン・バトン』 - ネリー・ラロイ / マーゴット・ロビー
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』『スーサイド・スクワッド』 - マニー・トレス / ディエゴ・カルバ
- エリノア・セント・ジョン / ジーン・スマート
- シドニー・パーマー / ジョヴァン・アデポ
- レディ・フェイ・ジュー / リー・ジュン・リー
スタッフ
- 監督 / デイミアン・チャゼル
『ラ・ラ・ランド』 - 音楽 / ジャスティン・ハーウィッツ
- 制作総指揮
マイケル・ビューグ
トビー・マグワイア 『スパイダーマン シリーズ』
ウィク・ゴッドフリー
ヘレン・エスタブルック
アダム・シーゲル
あらすじ
1920年代のハリウッドは、すべての夢が叶う場所。 サイレント映画の大スター、ジャックは毎晩開かれる映画業界の豪華なパーティの主役だ。 会場では大スターを夢見る新人女優ネリーと、映画製作を夢見る青年マニーが運命的な出会いを果たし、心を通わせる。 特別な輝きで周囲を魅了し、スターへの道を駆け上がっていくネリー、そしてマニーもまた、ジャックの助手として映画界での一歩を踏み出す。 しかし時は、サイレント映画からトーキーへと移り変わる激動の時代。映画界の革命は、大きな波となり、それぞれの運命を巻き込んでいく。 果たして3人の夢が迎える結末は…?
公式HPより抜粋 https://paramount.jp/babylon-movie/
感想
映画は謎の人物が砂漠からどうにか像を馬を運ぶよう用の車で運ぶところから始まり、あらすじの印象からだとどうやって話が繋がっていくのか想像ができず、見る映画を間違ったかと錯覚してしまうほどでした。しかし、見進めていくと当時の映画業界の華やかさと闇、そして無声映画からトーキーへの時代の変わり目を主人公の成長とともに 追体験することができます。
映画の撮影中に大きなケガをする人や死人がでてしまう描写もあります。現在であれば撮影での事故やケガなどが無いように注意を払って行っているという話を聞いたりしますが、それとは対照的に映画内ではケガも人の死も全く気にせず撮影を続行するのには時代を感じました。フィクションかもしれないですが。
また、様々な映画のセットが一か所に固めて建てられて1つの村のようになっていて、撮影をしているすぐ後ろのセットで別の映画を撮影していたり、撮影中に不足した物資などをすぐそばの他の撮影隊から借りてきたりと、無声映画の撮影だからこそできる撮影だなと感じました。
テンポの良さが飽きさせず一気に見進めさせる
この映画ではドラッグや暴力、性描写など少し重たい大人向けな表現が多々描写されることがあります。こういった描写があると見ている側も気軽にというよりは、「よし!見るぞ」と本腰を入れてみるような感じになってしまいますが、この映画は展開が早くそういった描写の後はすぐ背景で流れているテンポの良い音楽とともに物語も素早く流れるように展開ししていくため、重めの描写があまり気になりませんでした。
音楽で言えばジャスティン・ハーウィッツが手掛けた陽気な楽曲は映画内に繰り返し登場する印象的なメロディは、作中で流れるたびに華やかな印象を与えていました。また楽曲とともに描かれるデカダンスは圧巻です。
テンポの速い映画の場合、主要な登場人物が複数人出てくると人物像をあまり描いておらず、感情移入できないこともありますが、ある程度人物の描写にも厚みがありつつ、映画自体も3時間程度弱あるのにも関わらずそこまで長いとは感じさせなかったと思います。
最後に
「バビロン」は賛否が分かれる映画で海外では批判的な評価が多く日本では高評価が多いようです。私的には過去の映画がどのように制作されていたのかなど勉強になることも多く、映画史物の映画として面白かったと思いました。批判している方には構成や映像表現や使用されているセリフなど細かいところを気にされている人が多いようでした、そういったところが気にならない方であれば楽しめると思います!