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映画

アニメ『チ。 ―地球の運動について―』:命を懸けて真理を追い求めた者たちの物語

チ。-地球の運動について
tarumaki

作品情報

「チ。―地球の運動について―」 は、魚豊による日本の青年漫画作品です。15世紀のヨーロッパを舞台に、地動説を巡る人々のドラマを描いた作品で、2020年より『ビッグコミックスピリッツ』で連載され、高い評価を得ました。2024年10月からはアニメ化もされ、さらに注目を集めています。

キャスト

  • ラファウ(CV:坂本真綾)
  • ノヴァク(CV:津田健次郎)
  • フベルト(CV:速水奨)
  • オクジー(CV:小西克幸)
  • バデーニ(CV:中村悠一)
  • ヨレンタ(CV:仁見紗綾)

スタッフ

  • 原作:魚豊
  • 監督:清水健一
  • シリーズ構成:入江信吾
  • キャラクターデザイン:筱雅律
  • 美術監督:河合泰利
  • 色彩設計:今野成美
  • 撮影監督:伏原あかね
  • 編集:木村佳史子
  • 音楽:牛尾憲輔
  • 音響監督:小泉紀介

あらすじ

15世紀のヨーロッパ某国。飛び級で大学への進学を認められた神童・ラファウ。

彼は周囲の期待に応え、当時最も重要とされていた神学を専攻すると宣言。

が、以前から熱心に打ち込んでいる天文への情熱は捨てられずにいた。 

ある日、彼はフベルトという謎めいた学者と出会う。

異端思想に基づく禁忌に触れたため拷問を受け、投獄されていたというフベルト。 

彼が研究していたのは、宇宙に関する衝撃的な「ある仮説」だった――。

感想

「地球は動いている。」今では常識とされているこの考え方が、かつて命がけの信念だったことをご存じでしょうか?『チ。―地球の運動について―』は、15世紀ヨーロッパを舞台に、禁じられた地動説を追い求めた人々の生き様を描いたアニメ作品です。

異端とされる思想に向き合い、それでも真実を追い求めた彼ら。その情熱と信念が時代を越えて受け継がれ、やがて科学の常識へとつながっていく…。その壮大なドラマに触れると、きっと心を揺さぶられるはずです。

迫り来る異端審問の恐怖

この作品の魅力は、何といっても徹底して描かれる「時代感」。
魔女裁判や異端審問など、中世ヨーロッパ特有の厳しい宗教観がリアルに表現されています。

異端審問官たちは、聖書の教えに反した者を「天国に導くため」として拷問を加えます。そこに悪意はありませんが、だからこそ彼らの行動は逆に恐ろしく、不気味なものに映ります。一方で、真理を追い求める主人公たちは、命の危険を知りながらも挑戦をやめることがありません。その情熱と知的好奇心には胸が熱くなると同時に、どこか羨望の念すら抱いてしまいます。

命を越えて受け継がれる真理

この物語で特に心を打たれるのは、主人公たちの研究が死後も受け継がれ、次世代へとつながっていく様子です。一人ひとりの努力や命の重さが、その連鎖の中で輝きを放ち、歴史を変えていく。その過程に触れるたび、「人の知識や情熱は死してなお生き続ける」というテーマが胸に響きます。

命を懸けてでも挑む価値のある感動や使命に出会うこと。それを果たすために命を燃やす彼らの姿には、敬意を抱かずにはいられません。

映像美と音楽の融合

『チ。』の映像表現は一言で言えば「美しい」の一言。15世紀ヨーロッパの街並みや薄暗い異端審問の場、壮大な宇宙への夢想など、緻密に描かれたシーンが次々と登場します。その映像に寄り添うのが、オープニング曲のサカナクション「怪獣」とエンディング曲のヨルシカ「アポリア」。どちらも物語にぴったりとハマっており、登場人物たちの信念や葛藤をさらに際立たせています。

特にサカナクションの「怪獣」は、未知への恐れや興奮を描き出し、作品の冒険心を象徴する一曲。また、ヨルシカの「アポリア」は切なさと希望を感じさせ、物語を感動的に締めくくります。これらの楽曲だけでも十分に聴く価値があります!

まとめ:真理を追う者の物語

『チ。―地球の運動について―』は、ただの歴史フィクションではありません。人間の情熱、信念、そして命の重さを描いた壮大なドラマです。

現代の科学の常識が、かつて命を懸けて追求された信念の賜物であることを思い出させてくれる作品。壮大なテーマに触れたい方、深い感動を味わいたい方にぜひ観ていただきたい一作です!

観終わった後、あなたもきっと、夜空を見上げながら「地球は動いている」と呟きたくなるはずです。

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ゲーム制作会社で働いてます。
最新作から過去作まで好きな作品を紹介して、少しでも業界の応援になればと思いつつに書いていこうと思います。 基本的に批判的な意見は書かないようにしています。
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