映画「ブラックベリー」:一時代を築いたスマホ「ブラックベリー」の光と影
画像引用元:ひとシネマ
作品情報
天才的な技術者たちが集結し、革新的なスマートフォン「ブラックベリー」を開発し一世風靡するも、アップルのiphoneの登場に衰退へと向かっていく繁栄と滅亡の一部始終が描かれた作品です。
この映画を見たことで、私は技術革新が私たちの生活に与える影響、そして企業が生き残っていくために必要なものについて深く考えさせられました。
キャスト
- マイク・ラザリディス:ジェイ・バルチェル
RIMの共同創業者であり、ブラックベリーの開発を牽引した人物。 - ジム・バルシル:グレン・ハワートン
RIMの共同創業者であり、ビジネス面で会社を牽引した人物。 - ダグラス・フレギン:マット・ジョンソン
RIMの初期のメンバーであり、ソフトウェア開発を担った人物。
本作の監督も務めています。 - その他、重要な役どころを担ったキャスト
- リッチ・ソマー
- マイケル・アイアンサイド
- マーティン・ドノバン
- ソンウォン・チョ
- ソウル・ルビネック
- ケイリー・エルウィズ
スタッフ
- 監督・脚本: マット・ジョンソン
- 脚本: マシュー・ミラー
- 製作: マシュー・ミラー、XYZ Films、ロンバス・メディア、Zapruder Films
- 撮影: ジャレッド・ラーブ
あらすじ
瞬く間に成功を収めるも、壊滅的に崩壊した企業。世界初のスマートフォンを生み出した、大胆な発明家と野心あふれる企業家たちの興亡を描いた伝記映画。
NETFLIXより引用 https://www.netflix.com/jp/title/81725542
細部に宿る情熱:ブラックベリーのセットデザインとプロップデザイン
映画「ブラックベリー」は、単にスマートフォン開発の物語を描くだけでなく、80年代後半から2000年代初頭の時代背景を細やかに再現した映像美が特徴てきな映画でした。オフィスの木製のデスクや積み上げられた書類、ブラウン管のモニターなどからは、現代のオフィスではありえない光景で当時を知らない私にとっては新鮮味があってすごく魅力的でした。
ブラックベリーの端末を開発する時に登場する様々なガジェットは、どれもおもちゃのようなものが出てきますがどれも当時の最先端技術なのだと考えると、当時の人たちが今の技術を開発してきたという事がすごいことなのだと感じられました。
プロップだけではなく照明の色も全体的に温かみのある照明が使用されておりノスタルジックな雰囲気を感じさせる演出がされていました。資金の少ないところからの苦労の開発から成功、そして衰退まで登場人物の心境がどんどんと変化していきますが、それを際立たせるような陰影が効果的に使われていているのに加えて、ドキュメンタリータッチの映像表現で登場人物にクローズアップすることにより当時の臨場感が高まり、より一層引き込まれる作品になっています。
イノベーションと人間のドラマ:ブラックベリーが描く群像劇
革新的な技術が生み出す興奮と、ビジネスの厳しい現実、そして人間ドラマが交錯する、見応えのある作品でした。新しい技術へと挑戦する見るからにオタクな男達が、ブラックベリーを誕生させてから衰退するまでが分かりやすく描かれていました。
新しい技術への挑戦と、それを阻む様々な壁、企業としての成功とそれに伴う変化、そして競合他社の登場し市場の激しい競争など、ビジネスにおける様々な側面が描かれ今の仕事と重なる部分も多く自分に重ねながら見てしまいました。
特に印象的だったのは、登場人物の個性的なキャラクターです。技術者、経営者、マーケターなど様々な立場の人々のドラマが、各人物の視点から描かれることでブラックベリー開発の物語に深みを与えていると感じました。
最後に
この映画は、技術革新と人間ドラマが融合した作品と言えるでしょう。新しい技術が社会に与える影響、技術開発に携わる人々の葛藤と成長が、見事に描かれていました。
ブラックベリーの成功と衰退を通して、技術革新の光と影、ビジネスの厳しさ、そして人間ドラマを考えさせられる、素晴らしい映画でした。
テクノロジー、ビジネス、人間ドラマに興味のある方には、ぜひおすすめしたい作品です。