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騙される快感!『真実の行方』エドワード・ノートンの怪演が光る法廷サスペンス

真実の行方
tarumaki

作品情報

映画『真実の行方』は、1996年に公開されたアメリカの法廷スリラー映画です。ウィリアム・ディールの同名小説を原作とし、グレゴリー・ホブリットが監督を務めました。

この映画は、法廷でのスリリングな駆け引きと、登場人物たちの心理描写が巧みに組み合わさった作品として高い評価を得ています。特に、エドワード・ノートンの演技は、その多面性と繊細さで観客を魅了し、彼はこの作品でゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞しました。

『真実の行方』は、単なる法廷ドラマにとどまらず、人間の心の奥底に潜む闇や、真実の複雑さを描いた作品として、観る者の心に深く残る映画です。

あらすじ

シカゴの大司教ラシュマンが自宅で刺殺される事件が発生。その直後、大司教の屋敷から血まみれで逃げ去る青年アーロンが逮捕された。弁護士マーティンは事件の話題性に注目し、アーロンの弁護を無償で申し出る。路頭に迷っていたところを救われミサを手伝っていたというアーロンは、何者かが大司教を殺害したのを目撃した直後から記憶が途切れているという。元弟子で恋人でもあったジャネットが担当検事となり、公判が始まる。

感想

時間を忘れて没頭できるサスペンス映画は、近年減ってしまったように感じます。脚本の優れた作品が配信ドラマへと移行している影響もあるかもしれません。そんな中で、映画『真実の行方』は、法廷サスペンスというジャンルの枠を超え、驚愕のラストで観る者を震え上がらせる傑作です。

主演はリチャード・ギア。しかし、本作で最も注目すべきは、助演のエドワード・ノートン。なんと彼にとってのデビュー作にもかかわらず、第69回アカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、さらに第54回ゴールデングローブ賞で最優秀助演男優賞を獲得しました。

初見では誰もがラストに驚愕し、二度目の鑑賞では「伏線の回収」に唸ること間違いなし。そんな本作の魅力を、3つのポイントに分けて紹介します。

一瞬たりとも目が離せないストーリー展開

『真実の行方』の物語は、カトリック教会での大司教殺害事件から始まります。逮捕されたのは、エドワード・ノートン演じる青年アーロン。彼は血まみれの状態で逃走しているところを確保されましたが、彼自身は大司教を敬愛し、無罪を主張します。

弁護士のマーティン(リチャード・ギア)がアーロンの弁護を担当することに。事件を追ううちに、大司教には恐るべき裏の顔があることが明らかになります。さらに、アーロンには「ロイ」という凶暴な人格が潜んでいることが発覚。これは二重人格なのか、それとも——?

裁判が進むにつれて、事件の真相が二転三転し、観客の予想をことごとく裏切ります。そして、迎える驚愕のラスト——あなたはきっと騙される。

エドワード・ノートンの怪演

本作最大の見どころは、間違いなくエドワード・ノートンの演技です。彼は「気弱で純粋なアーロン」と「凶暴で狂気じみたロイ」の二役を見事に演じ分け、観客を完全に引き込んでしまいます。

中盤、アーロンが突然ロイへと豹変し、マーティンを恫喝するシーンは鳥肌モノ。リチャード・ギアの驚愕の表情も相まって、まるで本物の恐怖を目撃しているかのような臨場感です。

ラストシーンでは、アーロンの「とある一言」で、マーティン、そして観客はすべてを悟ることになります。その瞬間、ノートンの表情が一変し、本性を現す——このラスト5分の衝撃は、一生忘れられないものになるでしょう。

伏線の巧妙さと見事な脚本

『真実の行方』は、一度目の鑑賞で騙されるだけでなく、二度目以降の鑑賞で「伏線の巧妙さ」に驚く作品でもあります。

例えば、事件現場に刻まれた「B32.156」という暗号。この数字は、教会の図書室B32の棚にある『緋文字』の156ページを示しており、そのページには「人は二つの顔を持ち続けると、自分自身を見失う」という一節がアンダーラインされています。これは大司教の裏の顔を暴く暗示かと思われましたが、最後まで観ると、実はアーロン自身を指していることが分かる——こうした細かい仕掛けが至るところに張り巡らされているのです。

また、法廷のシーンも非常にリアルに描かれており、弁護士と検察官の駆け引きは手に汗握る展開が続きます。特に、検事ジャネットとアーロンのやりとりは緊張感に満ち、彼の豹変がどのように裁判を左右するかが見どころです。

最後に

『真実の行方』は、優れた脚本と俳優陣の迫真の演技が融合した、サスペンス映画の傑作です。驚きの展開、張り巡らされた伏線、そしてエドワード・ノートンの圧巻の演技——この映画には、観る者を惹きつける要素が詰まっています。

まだ観ていない方は、ぜひネタバレなしで鑑賞してください。そして、一度騙されたら、ぜひ二度目の鑑賞を。初見では見逃していた細かいヒントに気付き、さらに作品の完成度の高さに感動するはずです。

「騙される快感」を味わいたいなら、『真実の行方』は絶対に見逃せません!


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ゲーム制作会社で働いてます。
最新作から過去作まで好きな作品を紹介して、少しでも業界の応援になればと思いつつに書いていこうと思います。 基本的に批判的な意見は書かないようにしています。
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