映画『LIFE!』レビュー
作品情報
ジェームズ・サーバーの短編小説の「ウォルター・ミティの秘密の生活」を、ベン・スティラーの監督・主演で新たに映画化した作品です。過去にもノーマン・Z・マクロード監督が「虹を掴む男」として1936年に映画化されています。
キャスト
- ウォルター・ミティ / ベン・スティラー
- シェリル・メルホフ / クリステン・ウィグ
- ショーン・オコンネル / ショーン・ペン
- ミドナ・ミティ / シャーリー・マクレーン
- テッド・ヘンドリックス / アダム・スコット
- オデッサ・ミティ / キャスリン・ハーン
- トッド・マハール / パットン・オズワルト
スタッフ
- 監督 / ベン・スティラー
- 脚本 / スティーヴ・コンラッド
- 原案 / スティーヴ・コンラッド
- 原作 / ジェームズ・サーバー
『ウォルター・ミティの秘密の生活』
あらすじ
人生を変える、壮大な旅が始まる!廃刊が決定したライフ誌を手掛ける平凡で臆病なウォルターが、“最終号を飾る写真を探す”という人生最大のミッションの中で壁を越え、勇気と生きる喜びを見つける旅を描く!
公式サイトより引用 https://www.20thcenturystudios.jp/movies/life
地下鉄に乗って雑誌「LIFE」の写真管理部に通勤しているウォルターは、何ひとつ変わりばえのない日々を繰り返している。彼の唯一の趣味は、虚しい現実から逃避して突飛な空想に浸ること。ある日、ライフ誌最終号の表紙を飾る大切な写真のネガがないことに気づいた彼は、一大決心をしてカメラマンを探す旅に出発する。そのありえないほど波瀾万丈の冒険の道のりは、彼の人生を一変させていくのだった…。
感想
仕事で疲れた時に見てほしい
写真管理部で働く主人公はとにかく冴えない男。好きな女性に声をかけたり、仕事上で言い返せなかったりといつも一歩踏み出す勇気が持てないでいます。そんな姿は過酷な環境で働いていた当時の私には重なる部分が多く序盤からこの映画に没入していきました。
映画内で亡くなった主人公の父から過去に貰ったバックパックを手に、幼い頃旅に出ると話していた事を思い出し、写真を探す旅に出る決意をするところは胸にグッと来るものがあり、仕事の忙しさに本来やりたかったことを忘れてしまう感覚は意図せずに共感してしまうものがありました。
そこからグリーンランド、アイスランド、アフガニスタンへとネガフィルムを求め旅をしていきます。グリーンランドでは船にのり海をわたり、アイスランドでは山々のあいだをスケートボードで移動し、アフガニスタンでは雪山を登山します。
主人公が旅をした国はどれも自然が豊かでした。とくにアイスランドの火山地帯は荒々しくも荘厳で、その火山地帯は道路があるものの道の外へ一歩踏み出すと、溶岩が流れた跡など地球の鼓動を感じられる景色が広がっています。そこをスケートボードで高速で移動していくカットはスリルがあるだけでなく、美しく壮大で見ている人を旅へと誘うシーンになっていると感じました。
また、映画が全体的に自然の色味が映えるように色調されているのが、自然をより美しく映し出し、こんな自然を見てみたいと思わせる映像になっています。
現実と空想を行き来する
この映画はただ旅をするだけでなく、主人公の空想と現実が混じり合いながら物語が進んでいきます。こういう内容だと私は現実と空想どちらなのか分からなくなってしまう事が多いですが、この映画では空想パートの後に「ここは空想パートだったんですよ」と教えてくれるようなカットが入るため、どちらの世界なのか混同せずにすんなり見ることができたと思います。
私は映画の予告を見て「ここは空想ぽいな」とか考えてから本編を見ることでより楽しめたと思いました。「えっここが現実だったの!?」というサプライズ感を味わいつつ映画を見ることができます!
曲が最高!
映画全体を通して「Of Monsters and Men」というアイスランド出身のインディーズフォークバンドの曲が使われています。
このバンドの男女ふたりのボーカルによるハーモニーは特徴的で、女性の優しく繊細な歌声と男性の低く力強い歌声が重なることで独特な雰囲気の美しい曲を作り出しています。
また、フォークとロックを融合させたようなサウンドが特徴で、アコースティックギターやピアノなどのフォーク楽器と、エレキギターやドラムなどのロック楽器がバランスよく使われ、聴きやすく親しみやすいメロディーと力強いリズムになっています。
歌詞はアイスランドの壮大な自然をテーマにしたものが多いようで、この映画にピッタリの曲になっています!
最後に
この作品は仕事が忙しく寝るために家に帰るような生活が1年くらい続いたときに劇場で見て、私が1人で旅行をするようになったきっかけの作品ですごく思いれがあります。
国内ではありますが知らない土地を1人で旅行しチェーン店ではない現地の飲食店に入ったり、知らない人と話してみたりするのは少し勇気がいりますがすごく新鮮で、会社では疲れるコミュニケーションでも知らない人とでは不思議と楽しく会話できるという事がわかり、その後も続けています。
仕事に疲れた人、何か新しいことを始めたいと思っているひとに見て欲しい作品です。
字幕で視聴することをお勧めします!