映画『ザ・キラー』レビュー
作品情報
NETFLIXの2023年のオリジナル作品です。「エイリアン3」「セブン」「ファイト・ラブ」など数々の名作を生んだデビッド・フィンチャー監督の最新作『ザ・キラー』。
マイケル・ファスベンダー主演で贈る。フランスのグラフィックノベルシリーズ『The Killer』を原作とした作品です。
キャスト
- クリスチャン / マイケル・ファスベンダー
- エキスパート / ティルダ・スウィントン
- ホッジス / チャールズ・パーネル
- クレイボーン / アーリス・ハワード
- ドロレス / ケリー・オマリー
- レオ / ガブリエル・ポランコ
スタッフ
- 監督 / デビッド・フィンチャー
- 観客 / アンドリュー・ケヴィン・ウォーカー
- 原作 / アレクシス・ノラン
あらすじ
ある任務失敗により、雇い主を相手に戦うことになった暗殺者。世界中で追跡劇を繰り広げる彼は、それがかたき討ちであっても目的遂行に個人的な感情を持ち込まないよう自分自身と闘い続ける。
公式サイトより引用 https://www.netflix.com/jp/title/80234448
感想
淡々と相手を殺していく
殺し屋が主人公の映画ではド派手な銃撃戦や爆破ら市街地でのカーチェイス、そして最後は肉弾戦などが盛り込まれていますが、ザ・キラーではそういった派手な演出は少なく主人公の殺し屋が、相手を調べ淡々と殺していく映画になっています。
文章で見るとなんだかつまらなそうな映画に感じますが、そんなことは一切なく、派手な演出などが少ない代わりにものすごくリアリティのある映画となっていました。
例えば服装など、店の人などからは忌避されるドイツ人の平均的な格好を選択し、監視カメラに映るのを避けるのは不可能と考え、避けるのではなく印象に残らないように行動するなど、なるほどと唸らせられるような納得感のある設定がよりリアリティを増していたと思います。
アクションカットも素晴らしい。
デビット・フィンチャーが監督する映画でアクションカットが入っているような映画はファイト・クラブくらいしか印象になく、殺し屋同士の直接対決時のアクションはどんな風に描かれるのだろうと楽しみでした。
直接対決が見られるのは映画の中盤あたりでした。敵の殺し屋の家に侵入し、静かに殺害しようとするも見つかってしまい、拳と拳の肉弾戦になります。リアリティ重視の少しモッサリした感じになるのかと思いきや、アクションのキレ、テンポが非常によく、途中で挟まれる殴られた顔面のカットなども見ていて飽きないような作りになっていると感じました。
巨体でタックルされたときなどの吹き飛ぶ演出がありますが、よくあるワイヤー感があまりしないリアルとフィクションの絶妙に丁度良いアクションになっていたと思います。
最後に
普段あまり気に留めていませんでしたが、改めてデビット・フィンチャーが監督した作品のラインナップを見てみたところ、セブンやファイト・クラブ、ベンジャミン・バトンなどどれも名作で、見たことがなくても名前は聞いたことある作品ばかりで、デビット・フィンチャー監督の偉大さをひしひしと感じました。そして、意外にも自分の好きな作品が多いことにも気付かされました。
今度どんな作品を撮るのか、期待を膨らませて待とうかと思います。