ドラマ『トークサバイバー!』レビュー
作品情報
トークサバイバー!〜トークが面白いと生き残れるドラマ〜
スリル満点の本格ドラマに出演する芸人たちが、台本なしのシーンで面白トーク合戦を繰り広げる。敗者は即刻ドラマ降板となる新感覚お笑いバトル、ここに開幕!
キャスト
MC&立会人
- MC / ノブ(千鳥)
- 立会人 / 滝沢カレン、佐藤栞里、トリンドル玲奈
ドラマパート
- 斉木 / 間宮祥太朗
- ミサト / 髙橋ひかる
- 須藤 / 東出昌大
- 久保田 / 岡田浩暉
- 桜井 / 森永悠希
- 学生 / 吉村界人
- 学生 / ナダル(コロコロチキチキペッパーズ)
- マユミ / 栗林藍希
- 生活指導教師・岩田 / 後藤剛範
- 教師 / 原幹恵
- 教師 / 酒井善史
- 桜井の上司 / 森下能幸
- 姐さん / 近藤春菜(ハリセンボン)
- 婦人警官 / 中村静香
挑戦者
- 大悟(千鳥)
- 劇団ひとり
- 飯尾和樹(ずん)
- 峯岸みなみ
- 塚地武雅(ドランクドラゴン)
- 板倉俊之(インパルス)
- 田中卓志(アンガールズ)
- ケンドーコバヤシ
- 岩井勇気(ハライチ)
- 向井慧(パンサー)
- 森田哲矢(さらば青春の光)
- 吉村崇(平成ノブシコブシ)
- 狩野英孝
- ヒコロヒー
- 渡辺隆(錦鯉)
- とにかく明るい安村
- 小宮浩信(三四郎)
- イワクラ(蛙亭)
- アンミカ
- 伊藤俊介(オズワルド)
- サーヤ(ラランド)
- 春日俊彰(オードリー)
スタッフ
- 企画演出・プロデューサー / 佐久間宣行
『ゴッドタン』『あちこちオードリー』 - 監督 / 河合勇人
『俺物語』『全裸監督』 - 脚本:土屋亮一
- 主題歌:サンボマスター「花束」
あらすじ
舞台は名門私立NF学園。大悟(千鳥)、劇団ひとり、飯尾和樹(ずん)、峯岸みなみ、塚地武雅(ドランクドラゴン)、板倉俊之(インパルス)、田中卓志(アンガールズ)、ミサト(髙橋ひかる)、斉木(間宮祥太朗)は同じ学校に通う17歳の高校生。ある日、理事長室から高価な絵画が盗まれる事件が発生。大悟らが生活指導教師・岩田(後藤剛範)に疑われ、教室に集められる。犯人探しをしている最中、監視カメラに映っていた人物が判明!その後まもなく、第二の事件が…。とある生徒の命が奪われ、岩田が行方不明になり…。
TVマガより引用 https://saru.co.jp/tvmaga/talk_survivor_arasuji/#i-2
感想
この作品でプロデューサーをしている佐久間さんのラジオ『佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)』で紹介されていて気になってみたところ、ドラマパートと芸人さんのトークパートどちらも非常に面白くはまってしまいました。
ドラマパートでは有名俳優や過去に問題を起こした俳優&芸人が登場します。そういった人たちは通常のTV番組ではスポンサーなどもいるため敬遠されがちですが、ここではあえて起用し不祥事を笑いに換えてスポットライトが当たるように演出されています。そういった端々に見える優しさがなんだか心が温まる作品です。
もちろんストーリー自体も面白く、謎が謎を呼び後半にすべてが繋がっていき伏線が回収されていくところは圧巻ですし、ドラマ自体にもクスっと笑えるようなカットが端々にちりばめられているので軽い気持ちで見れるのも私的には良かったです。
芸人たちの生き残りをかけた渾身のトークが最高!
トークサバイバー!はドラマパートと芸人たちのトークパートに分かれており、芸人たちはドラマの途中で唐突にお題を振られトークをしていくという流れで進んでいきます。そして、トークが面白くなかった人は物語から脱落していきます。脱落した芸人たちはドラマのストリー上でも死亡してしまいその後は登場しません。
芸人たちが話すテーマは「傷ついた話」「しょうもない話」など各話ごとに様々な話をしなければならないだけではなく、前に話した芸人のトーク内容によっては考えていた内容がそぐわなくなってしまうなど、話す内容やタイミングまで駆け引きが要求される少しピりつくようなトークバトルを楽しめます。ちなみにそれまでのトークの流れを無視し準備してきた話をしてしまった芸人は容赦なく退場させられてしまいます。
そんな極限状態のなか芸人たちから絞り出される身を削るような暴露話やカミングアウト、下ネタの話は他では味わえないような爆笑を味わえます。
MC&立会人の合いの手が絶妙に笑いを誘う
このドラマはMCのノブと立ち合い人の滝沢カレンさんらがともに、ドラマの映像を見ながら視聴者目線でツッコミを入れるコメンタリーとして参加しています。
ドラマ自体は少しクサイ演出やセリフやダサい仕草など満載で、映像だけだったらチープだなと思わせてしまうようなところも、ノブや立会人の女性から漏れるツッコミやコメントが入ることにより笑えるドラマになっています。また複雑な状況の説明やドラマの謎の考察などをノブがしてくれることにより、何も考えずに見てしまう私でも「そういえばあの謎はこの後どうなるのだろう」と一緒に考えながらストーリーを楽しめたと思います。
ドラマのストーリーも引けを取らず面白い!
私が得ていた前情報ではドラマパートはおまけ程度のバラエティにあるようなチープな映像なのかと考えていましたが、その予想は良い意味で裏切られる形になりました。ドラマの途中で入るノブのツッコミがなければ通常のドラマと違いが分からないほどの完成度となっていると思います。
ストーリーは学生編と刑事編があり最後に双方で出演していた演者たちが一堂に会す流れになっており、回を重ねるごとに犠牲者は増えていき同時に謎が深まっていき、終盤でストーリーにちりばめられた謎のピースがパズルのようにはまっていく感覚は『ユージュアル・サスペクツ』など映画を見た時に近いものを感じました。もちろん設定はぶっ飛んでいるので似て非なるものではありますが。。
最後に
最近見たドラマの中で久しぶりに続きが気になって夢中になった作品でした。ドラマの端々に笑いがちりばめられているので、仕事で疲れた夜とかでも気軽に見れてしまうのが良かったかなと思います。
ドラマの途中で唐突に始まるトークバトルはシリアスな雰囲気の中に笑いが入り、物語を少し柔らかくしてくれます。笑ってはいけない状況が生み出されるシリアスなストーリーだからこそ、笑いと組み合わさったときに爆発的に面白くなっていると思います。
ただ、トークの中に下ネタが多いため、下ネタが苦手な方や家族と視聴したい方には注意が必要です。