アニメ『葬送のフリーレン』レビュー
作品情報
「第25回手塚治虫文化賞」の新生賞を受賞している、「葬送のフリーレン」が待望のTVアニメ化しています!
監督は斎藤圭一郎。シリーズ構成は鈴木智尋(『ACCA13区監察課』)、キャラクターデザインは長澤礼子(『takt op.Destiny』)、音楽はEvan Call(『ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン』)が担当しています。
そしてアニメーション制作は『ワンパンマン』や『Sonny Boy -サニーボーイ-』など
バトルアクションから叙情的なドラマまで幅広い作品を世に送り出すマッドハウス。
キャスト
- フリーレン / 種崎敦美
- フェルン / 市ノ瀬加那
- シュタルク / 小林千晃
- ヒンメル / 岡本信彦
- ハイター / 東地宏樹
- アイゼン / 上田燿司
- フランメ / 田中敦子
- ザイン / 中村悠一
- エーレ / 伊藤かな恵
- ゲナウ / 新垣樽助
- メトーデ / 上田麗奈
- アウラ / 竹達彩奈
- リーニエ / 石見舞菜香
- カンネ / 和氣あず未
- ラヴィーネ / 鈴代紗弓
- ヴィアベル / 谷山紀章
- ユーべル / 長谷川育美
- デンケン / 斉藤次郎
- ラント / 小松昌平
- リヒター / 花輪英司
- ラオフェン / 石上静香
- ゼンゼ / 照井春佳
- ゼーリエ / 伊瀬茉莉也
- クヴァール / 安元洋貴
- リュグナー / 諏訪部順一
- ドラート / 大鈴功起
スタッフ
- 監督 / 斎藤圭一郎
- シリーズ構成 / 鈴木智尋
- 捜索が監督 / 長澤礼子
- 音楽 / Evan Call
- コンセプトアート / 吉岡誠子
- アニメーション制作 / マッドハウス
あらすじ
魔王を倒し王都へ凱旋した勇者ヒンメル一行。各々が冒険した10年を振り返りながらこれからの人生に想いを馳せる中、エルフのフリーレンは感慨にふけることもなく、また魔法探求へと旅立っていく。50年後、皆との約束のためフリーレンは再び王都へ。その再会をきっかけに、彼女は新たな旅へと向かうことに―。
公式サイトより引用 https://frieren-anime.jp/#top
感想
優しい世界で繰り広げられる過酷な冒険
魔王軍の残党と人類との闘いがいまだに続き、街の外には魔物がうろついていたりと、魔王を討伐はしたものの危険がまだまだ身近にあるような世界でも心が温まるような物語が繰り広げられます。
世界観的には殺伐としていてもおかしくはない状況ですが、フリーレン達の会話の中には罵声など誰かが怒鳴っているような描写が全くと言っていいほど出てきません。
フリーレンの寝坊や度々ミミックに食べられるときなど、強め他の作品であればツッコミがバシッと入りそうですが、この作品で登場する人たちは皆、人の失敗も許容し包み込むような行動をするため、見ていて不快感もなくあたたかい気持ちで見れるのが良いところだなと思います。また、その何でも丸く受け止めてしまうようなやり取りがおかしくて、クスッと笑えるのもこの作品を見るのが癖になります。
また、回想シーンで出てくる「ヒンメル」や「ハイター」がフリーレンに投げかける言葉には、優しさが凝縮されていることが多く、読むたびに心に染みわたりささくれ立った心が少し癒される感じがします。
ケルト音楽が作品全体を包み込む
劇中で流れる音楽はどこか懐かしいと感じる北欧の民族楽器を使った、普段のアニメでは聞かないような曲がが多く、民族楽器を使っているせいか聞いていてどこかノスタルジックで懐かしく感じるような気もします。
葬送のフリーレンの物語自体が過去のヒンメル達と同じ道を巡り旅をし、「ヒンメル」「ハイター」「アイゼン」との思い出を振り返り人間を理解していくという事が多いため、このノスタルジックな音楽がマッチしていると感じました。
原作に忠実で原作ファンでも楽しめる
「葬送のフリーレン」のアニメを見てから、アニメでは省略されているであろう部分も見たいと思い漫画も購入して読み始めましたが、省略されているところなど全く無いのではと思えるほど、アニメは原作に忠実に作成されていました。
漫画や小説の作品がアニメ化される時、途中の話がカットされていたり端折られていたりすることが多く、しょうがない事とは思いつつも原作が好きな作品だとがっかりしてしまうことがありましたが、今回は嬉しい誤算でした。
「葬送のフリーレン」の凄いところは原作を忠実に映像化しつつも、戦闘シーンなどは原作であっさり描かれているのに対してアニメでは美しくそして豪快に描かれており、さらに音楽が加わることで原作を超えているのではと感じるほどの完成度になっていると感じました。
最後に
私の中ではこの作品は心が疲れた時にこの作品を見ることにしています。メインはシュールなギャグテイストで進んでいくけれども、ちょっと泣けるところがあったり、心温まるストーリーがあったりと、ささくれ立った心も癒される最高の作品です!
やる気を出したいときには「バクマン」、心が折れそうなときは「宇宙兄弟」を見てきましたが、癒しが欲しいときには「葬送のフリーレン」に決定!