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『疑似ハーレム』レビュー|早見沙織の声優力が光る、純愛系“ハーレム風”ラブコメディ

tarumaki

作品情報

『疑似ハーレム』は、斉藤ゆうさんによる漫画が原作で、2025年にアニメ化が予定されている、演劇部を舞台にした学園ラブコメディです。

この作品の魅力は、一人のヒロインが様々な役柄を演じることで、疑似的なハーレム状態を作り出すという、ユニークな設定です。演劇というテーマを活かしつつ、ツンデレな後輩の本心と、それに気づかない鈍感な先輩の、甘酸っぱくてコミカルなやり取りが楽しめます!

あらすじ

ヒロインは1人! だけど、ハーレム???
漫画のようなハーレム状態に憧れる演劇部の先輩「北浜瑛二」と
密かに想いを寄せる先輩の前だと、つい”キャラ”を演じてしまう「七倉 凛」。

ツンデレちゃんに、小悪魔ちゃん、甘えんぼちゃん、
クールちゃん、おしとやかちゃん。
演じるキャラが増えれば増えるほど、抑えきれなくなる先輩への想い。

ちょっとバカでかなり鈍感な瑛二に、
七倉は、ありのままの自分で、想いを伝えられる日は来るのか…?

演じる恋が生む、不思議な疑似ハーレム!

アニメ『疑似ハーレム』は、一見すると「ハーレム系ラブコメ」と思わせるタイトルですが、その実態はちょっと変わった純愛物語です。主人公・北浜瑛二と、演劇部の後輩・七倉凛のやり取りを中心に描かれる本作は、「一人のヒロインが複数のキャラを演じる」という独特の設定で、まるで“疑似的なハーレム”を体験しているかのようなユニークさを持っています。
そして何より注目すべきは、七倉凛を演じる 早見沙織さんの幅広い演技力と声の魅力。これまでにない彼女の多彩な表現を楽しめることも、本作の大きな見どころです。

一人で“ハーレム”を演じ切る七倉凛の魅力

七倉凛は、クール系やツンデレ、甘えん坊など、さまざまなキャラクターを切り替えながら瑛二と接します。普段は普通の後輩でありながら、演技を通して何人ものヒロインに“なりきる”凛。その姿はユーモラスでありながらも、どこか切なく愛らしいのです。

特に印象的なのは、彼女がキャラとしてではなく「自分自身」として感情を見せる瞬間です。
「今日は居ません」と涙を浮かべる場面や、「私が選びます」と自分の意思を伝える場面には、凛の素直で可憐な乙女心が垣間見えます。

この“キャラ遊び”と“素の凛”の対比が絶妙で、観ている側は笑いながらも胸がきゅっと締め付けられる感覚を覚えるでしょう。

北浜瑛二という好感度の高い先輩キャラ

ラブコメの印象を大きく左右するのは、やはり男性主人公のキャラクター性です。瑛二は少し鈍感ではあるものの、嫌味や過剰なオタク臭さを感じさせない好青年。よくある「女の子に動揺して大騒ぎするだけの主人公」ではなく、自然体で優しさを見せる点が好感を持てます。

また、瑛二の“高校生らしいノリ”もリアルさを感じさせます。凛の恋愛的アプローチを冗談で受け流す一方で、本気の想いに対しては真剣に応えようとする姿勢が描かれており、「彼女を大切にする先輩」というイメージを強く残します。

大学進学後も物語が続き、凛との関係を丁寧に描いている点も珍しく、観る者に「この2人を見守りたい」と思わせる力があります。

純愛ラブコメとしての面白さと物足りなさ

本作には、よくあるハーレム作品のようなライバルキャラやサービスシーンは存在しません。ヒロインは凛ひとり。だからこそ純愛に特化していて、むしろ「からかい上手の高木さん」に近い雰囲気を感じさせます。

一方で、「大きな山場や劇的な展開が少ない」「登場人物が限られていて世界が狭い」という物足りなさもあります。物語としてのスケールを求める人にはやや淡白に感じられるかもしれません。

しかし、凛が芸能事務所にスカウトされ、夢と恋の間で揺れ動くエピソードや、大人になった2人のプロポーズシーンなど、印象的な場面はしっかり存在します。特に瑛二の「次は俺の番だ」という言葉は、彼の決意と凛への愛を象徴する名台詞でしょう。

まとめ ― “疑似”の先にある本物の恋

『疑似ハーレム』は、タイトルこそ“ハーレム”ですが、実際には ひとりの女の子が全力で恋をする純愛物語 です。
凛が演じる多彩なキャラに笑いながら、やがて彼女自身の素直な気持ちに胸を打たれる――そんな体験を与えてくれる作品です。

早見沙織さんの声の表現力を堪能できる点も含め、ラブコメファンだけでなく、“ハーレムものが苦手な人”にもおすすめできる一本です。


スタッフ・キャスト

キャスト

スタッフ

©斉藤ゆう/小学館/疑似ハーレム製作委員会

ABOUT ME
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ゲーム制作会社で働いてます。
最新作から過去作まで好きな作品を紹介して、少しでも業界の応援になればと思いつつに書いていこうと思います。 基本的に批判的な意見は書かないようにしています。
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